「ふにゃあっ、ああっ?!」
「ああ、いい声だね」
許して欲しかったら、僕の言うこと聞くんだね。
そう言われて、うかつに返事をしたのが運のつき。
快感の波に思考を攫われそうになりながら、自分の迂闊さを嘆いた。
始まりは些細なことだった。
いつものような口喧嘩で終わるつもりだったのに、意地の張り合いで大喧嘩に発展。
今までにないくらい、本気で怒った足立さんに恐怖を感じ、つい謝ってしまった。
じゃあこれ着てご奉仕ね。
そうイイ顔で差し出されたのは、メイド服という奴と猫ミミがついたカチューシャ。
羞恥心から絶対無理!と断ったら、じゃあ出て行って二度と帰ってくるなと、本気で言うから。
そんなの嫌だし、許していつもの優しい足立さんに戻って欲しいから、頑張ったのに。
「そんなんじゃイけないでしょ。やる気あんの?」
下から突き上げられ、私がイきそうになった。
騎乗位を強いられ、彼を気持ちよくしようと頑張ってるのに、こうやって足立さんがリズムを狂わせるから、逆に私が翻弄されて。
「あ、だちさ「猫メイドさんはにゃあしか言っちゃ"ダメ"って、言ったよね?」
「にゃにゃああ」
「なーんて言ってるか、分かんないなあ?」
その言葉と同時に、さらに激しくなるピストン運動。
も、ダメ。足立さんの体にしがみついて、迫り来る快感に身を委ね様としたその時。
「え・・・?」
「君が気持ちよくなってどーすんの。お仕置きなのに」
もう何度目か分からない。
イく寸前まで追い詰められて、引き戻されて。イくにイけない状況がずっと続いている。
苦しくて仕方なくて、なのにイかせてもらえないどころか、キスもしてもらえなくて。
おねだりしたいのに、言葉さえも許してくれない。
なら自分からと、キスをしようとすると
「嫌だ。したくない」
といつものように優しい笑顔で、ひどいことを言う。
本気で泣きそうになってるのに、いつもとは正反対な扱いに興奮している自分もいて。
ズルリと秘所から去っていく圧迫感に、不安を感じてると彼は、四つんばいになれという。
バックでやるつもりだ。いつもは、顔が見えないから嫌がるのに・・・・?
不審に思いながらも彼にお尻を向け、ベットに這い蹲る。
「うっわ、ぜーんぶ丸見えだよ?」
酷いこと言われてるはずなのに、恥ずかしくて今すぐにやめてほしいのに。
「また溢れてきた・・・淫乱な子だね、ちゃんは」
「ふやあああ?!」
一気に奥を貫かれ、悲鳴のような嬌声が迸り、狭い室内に水音が響き渡る。
「そんなに、バックがいい?」
「ひゃっ、あんっ!」
力強く押し込まれては、ひいていくソレに駆け上がってくる快感。
耳元で聞こえる足立さんの荒い息遣いと声さえも、快感を高める要因でしかなくて。
「あんっ・・・ああっ、イっちゃ・・・!」
高みにつれてかれる前に、足立さんが動きを止めてビクビクと震えて。
中にはいったまま、ぐったりと私に覆いかぶさった。
更に奥に入ってきたソレに、ビクビク震えると覆いかぶさっていた彼が、微かに顔をあげた。
「締め、すぎっ・・・っていうか抜かずの2ラウンドとか、無理だからね」
荒い呼吸を整えた彼が、私の中からソレを抜きさり、さっぱりとした顔で言った。
体液で塗れぼそったそこをティッシュでふき取り、下着を身に付けはじめた。
混乱する私に視線をやると、いつもどおりの優しい笑顔で言った。
「ご奉仕ご苦労さま、帰っていいよ?」
「え・・・?」
「僕満足できたから。お疲れ様」
そう一方的につげ、ベットから離れようと腰を上げる足立さんにしがみつく。
「なに?僕シャワー浴びたいんだけど」
「・・・め・・さい・・・っ」
「いや、だから許してあげるって。ほら、帰りなよ?」
うんざりした声色に、カーッと目頭が熱くなって、我慢していた涙がポロリと零れた。
一度決壊してしまったソレは、止められなくて。
「や・・・やあ・・・!あだ・・・ち、さっ・・す、き・・なの。嫌い、に・・・なんないでえ!」
彼に嫌われる。そう想像しただけで、涙は止まらなくなってしまい、子どものように泣きじゃくる。
どのくらいそうしていたろう。嗚咽も止まり始めた私に、と足立さんから呼びかけられた。
何を言われるんだろう、もう二度と来るなって?お前なんか嫌いだって?
どうしよう、どうしよう。聞きたくない!顔を上げず、震えながら待っていると。
「ほーんと、バカだねちゃんは」
優しい声と共に、痛いくらい抱擁を受けていることに気づいて、顔を上げるといつもの足立さんがいて。
ふにゃああと泣き始めた私の涙を、舌で舐め取りながら、落ち着くように背中を摩ってくれて。
「普通ここまでされたら、嫌いになるでしょ」
どこか諦めたような声に、力いっぱい首を横に振っていると、更に強い力で抱きすくめられた。
バカだね、そうため息をついた彼に。足立さんが好きでいてくれるなら、バカでもいいです。と嗚咽の収まらない声で途切れ途切れ言うと。
黙っていろと言わんばかりに、激しいキスを受けた。
呼吸も奪ってしまうような、そんなキス。たかがキスなのに、こんなに嬉しいなんて。
幸せを感じていると、彼の手が秘所に伸び立ち上がった陰核を捕らえた。
思わず腰を引いたけど、お見通しとばかりに彼はを引き寄せ、舌が口腔内を蹂躙する。
爪でソコを弾かれ、あっけなく達した。
ビクビクと快感に震える体を、ベットに押し付けられ、濃厚な口付けからようやく開放される。
「・・・っだ、ち・・さ」
「透、でいいよ。」
何度も降り注ぐキスの雨に応えながら、彼の首に手を回した。
溺愛シンドローム
(2012.03.05 Thank you for 10000hit!!)