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俺の彼女を紹介します 2









とても可愛らしい人が恋人になりました。
生きてこの方17年、他者をここまで必要としたことはなかったでしょう。
おそらくこの人が私の最初で最後の運命の人なのだと、確信しています。

なぜかって?そんなの、一目見れば分かりますよ。
女の第六勘というものを、甘く見てはいけません。


さんってさ、八高の鳴上くん、花村くんと仲いいんでしょ?」

見知らぬ女生徒に、さも知り合いのように話しかけられる面倒なこと。
内心顔を歪めるだが、表面上はうまく取り繕って、そうですねと当たり障りのない答えを返した。
すると彼女は何を勘違いしたのか、とても嬉しそうな表情で私の手を取りました。

ピンク色に染まった頬、女の子らしい仕草と可愛らしい笑顔。
これは男でなくとも見惚れてしまいますね。
平凡がピッタリ似合うにとって、彼女のような人は憧れだ。
きっとこんな素敵な人に迫られれば悠さんだって・・・・いいえ、それはありませんね。

あの人が自分の隣を、私以外の誰かに許す理由が一つも見当たらない。
私だって悠さん以外を、隣に並べたいとは思いませんし。ああ、友情という意味なら別ですが。

「じゃあさ、紹介してくれない?」
「2人を同時に・・・・・ですか?」
「うん・・・ダメ?」

小首を傾げて上目遣いをする様は、まさに小悪魔。
ついつい、その可愛らしさに許してしまいそうですが・・・・ダメに決まってるじゃないですか。
もちろん花村さんはどうでも良いですが、悠さんは絶対に嫌です。
あの人がモテ体質だというのも知っています、彼が私しか見てないのも分かっています。
けれど・・・・嫌なものは嫌なんです。

「構いませんが・・・あの方たちは一件無害に見えて、老若男女を手玉に取る鬼畜外道の極みですよ?」
「・・・・え?」
「どうなっても責任は取れませんが、それでもよろしければ今日にでも連絡を」
「う、ううん!やっぱりいいや、ありがとねさん!」


青い顔でそそくさと去っていく彼女の、なんと面白いことか。
花村さんには少し悪いことをしてしまいました。
しかし、彼もいくら可愛くったって積極的すぎる女性はお嫌い、と耳にしたことがありますし。

「出る杭は、二度と出ないよう潰してしまわないと」


きっと悠さんが知ったら、血相変えて呆然とするんでしょうね。
けれど結局私の言動を許してしまうでしょう。
だって悠さんはが好きで好きで仕方がないようですから。

明日は待ちに待った週末、悠さんと沖奈でデートだ。
少し早く赴いて、待っている彼を観察しよう。
ふふ、と笑みを漏らすが何を想像しているかは・・・・言わずもがなだろう。