※お名前変換はtextの名前変換からどうぞ





俺の彼女を紹介します 2









お姉ちゃん!」

恋人を見つけるや否や、繋いでいた手をパッと離し、嬉しそうにかけていく小さなイトコ。
その彼女の背丈にあわせ、その場にしゃがみ込み、笑顔で菜々子を出迎える
微笑ましい光景なのだが、ほんの少し妬ける光景でもある。
嫉妬なんて、どちらも大事な人には変わりないから矛盾する感情だが。

「こんにちわ。お久しぶりです、菜々子ちゃん。元気にしてましたか?」
「うん!お姉ちゃんもげんきだった?」
「ええ。でも最近、あなたのお兄さまと一緒に激しい運動をしたせいで、少し疲れてはいますが」

吹き出したのは言わずもがな、が根に持っているのは、2〜3日前少し、いやかなり激しく愛しあったことだろう。
歯止めが利かなかった俺も悪いが、煽るも悪い。
普段会えない分、そうなると理性なんてすぐに飛んでしまう。
で余裕のない俺を見て、優越感に浸っているのかワザとその状況に追い込んでいるフシもあるような。

しかし何も菜々子が一緒にいる時に、話す必要はないだろう!
顔を引き攣らせる俺だけに、は意地悪な笑みを見せ、いとこには疲れてますアピールを。
はげしいうんどう?だいじょうぶ?と小首を傾げる小さなイトコに、その内容を忘れてもらうため、話題を摩り替える。

「菜々子、今日はに稲羽を案内するんだったよな?」

俺の言葉に、当初の目的を思い出した菜々子がはっとして、の手をとり、俺の隣に並ぶ。
その小さな手を俺に差し出し、完成したのは菜々子を真ん中に、3人で手を繋いでいる微笑ましい状況。

お姉ちゃんには、たくさん、たっくさんしょうかいしたいばしょが、あるんだよ!」
「ふふ、楽しみにしています」

そう言っては俺に視線を投げ、小さなイトコに気づかれないようそっと、俺の耳元で囁いた。

「いくら可愛い菜々子ちゃんと言えど、悠さんが他の女性と手を繋いでいるのは妬けますね」

悪戯っぽい笑みを浮かべ、肩を竦めるを見ていると何故か悪い気はしない。
むしろ優越感で満たされて、更に彼女が愛しくなったり・・・・・・・自分でも思う、単純だと。
ほんの些細なことで、嫉妬をすると同時に優越感を覚えたり。
それだけ鳴上悠はにはまっているということだ。

結果、四六時中のことばかり考えていて・・・策中にはまっているような気がして悔しくもあるのだが。

「お兄ちゃん?」
「悠さん?」
「ああ、悪い。今行く」

深く深く愛して、愛されているので良しとしよう。
菜々子からの親愛とからの情愛を噛み締めるよう、悠は笑みを零した。