本当にこのままでいいの?



「アホやな・・・ほんま」
「うう、うるさい!目下反省中だから皆まで言うな!」


俺が見下ろしてんのは、たった今大バカをやらかしてきたクラスメイトの女。
席が隣になり、そこそこ仲も良くなり、なんとなく放っておけなくなった奴。
っていう名前も、頭も養子も平凡な・・・それこそ平凡という文字がぴったし当てはまる。
むしろこいつのために平凡っていう文字があるんちゃうかな思うぐらいや。


んで、このアホぅは一体何をやらかして、クラスまで戻ってウジウジしてるかっちゅーと。


「『あ、あどべさんを世界で一番大好きです!』やもんなぁ」
「ちょ、ちょまじでやめて!死にたい・・・!」


今にも爆発しそうに顔を真っ赤にさせ、ミーハー女の集まるフェンス越しに跡部に告白。
女らも、当の本人も、周りもポカンとしてたし。告白したアホウもとい、は一人逃げてまうし。
なんや放っておけんくて、追いかけてきてもた俺。


「まず、あどべさんって何やねん。噛み噛みやんけ」
「・・・・おっしゃる通りで」
「てにをはおかしいし。”跡部さんが世界で一番大好きです!”って何俺跡部に告ってんねん」
「忍足みたいに言う予定でした」
「言えてなかったな。『あ、あどべさんを世界で一番「あーあーあー!もういいってしつこい!」
「現実やろ」
「う゛・・・・・どうやって無様な告白の記憶を消そう」
「一回やってもたもんは消せへん。記憶消しゴムとかあったらエエな」
「ドラえもーん!ドラえもーん!」
「分かった。分かったから帰って来い


うわぁぁぁんと泣き出したの肩をポンと叩いてやる。
別に一人で泣かんでも、俺の胸ぐらい貸したるのに・・・・いやいやいや、俺何考えてん。
いくらが数少ない、否ただ一人ともいえる女友達やから言うたって。
その前にコイツは跡部が好きなんやで?ものっそい変わって根性ある奴やけど、どうも恋愛に関しては色々ダメらしい。
跡部に一目ぼれして、ずうっと片想いして見続けてたんやて。の前に!何で急に、公衆の面前で告白ってことになってんねん。


「あ、跡部くんがあまりにもカッコよかったから・・・」
「・・・・・・」
「ぞ、ぞんな、冷たい目じ、じないでぇ!」


案の定ぶっさいくな面で、垂れとる鼻をずるると啜る
なんか、もう・・・・・・・アホらしなってきた!や、なんで俺、イライラしてんねん。
何で部活放り出して来てしもてん。
何でわぁわぁぶっさいくな面で泣いてるが、可愛いとか思ってん。
何で俺が胸締め付けられる、みたいな思いしてんねん。


「う゛うううう!お、おしたり、私、もう・・・・お嫁行けない」
「それが何やねん」
「だだだだ大問題じゃないか!」
「ええやん。俺がもろたるわ」
「ああ、忍足が・・・」
「なんや、不満なんか」
「・・・・・え?」
「アカンわ俺、気づいてもうた。俺もアホや。何なんほんま自分」
「え?え、え、何。何自分で納得してるの忍足、ていうか私も怒られてる?」
「侑士。今から侑士って呼んで。俺もって呼ぶ」

「え、何?ちょっと本当についていけない・・・」
が好き。好いとる。もちろん、恋愛的な意味で」
「・・・・・・・・・・え?」








(今更気づく俺もアホやけど、とりあえずアホ面してるこの子どうにかしよ)